三宅島の医療・診療所

診療所便り

 広報みやけ に連載している「診療所便り」の原文をご覧いただけます。

H26年11月 認知症と向き合うということ

高齢化社会となり、認知症患者の増加が社会問題となりつつあります。高い高齢化率となっている三宅村も当然例外ではありません。認知症は単なる「物忘れ」とは異なり、徐々に脳の機能が低下し、それとともに全身の機能が低下していく「病気」であるといえます。それにもかかわらず、認知症によって起こる症状である、介護への抵抗、昼夜逆転、妄想などの事柄が、本人の性格や年のせいなどとして片づけられ、適切に対処されていないケースもあります。

 

認知症の治療は、薬物治療のみではありません。家庭を含め、福祉サービスの利用などによって、精神的・肉体的な「ケア」も同時に行われることが不可欠です。フランス発祥で、最近日本でも話題になってきている「ユマニチュード」という概念は、認知症高齢者に対する専門的な「ケア」の方法を示しており、実際に認知機能改善の効果もあるとされています。

 

  • 会話や介護をするときは自分から相手の前に座って視線を合わせてから行う。
  • 反応がなくても、介護するときは一つ一つの動作を口で説明しながら行い、決して無言でケアをしない。
  • 相手に触れるときは広く、支えるように触れ、決して腕をいきなりつかまない。
  • 左右の足を上げることができるなら、1日最低20分は立つ訓練をする。

 

これ以外にも実践的なケアの方法が挙げられています。もちろん、家庭の中でこのすべてを実践することは不可能かもしれません。決してご家族のみでケアの不安を抱え込まないでいただきたいと思いますし、福祉サービスの利用を相談することができます。診療所も窓口の一つとなることができますので、認知症に関する相談、認知症の家族のケアが大変になってきた場合、など何でも構いませんので、気軽にご相談いただけましたら幸いです。

 

舘野佑樹

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H26年10月 インフルエンザと予防接種

H26年9月 大腸がんについて

H26年8月 タバコと肺気腫

H26年7月 胃がんとピロリ菌

H26年6月 高血圧とのつきあい方

H26年3月 実は身近な「アルコール依存症」

H26年2月 老衰のパターン

H26年1月 正しく知って、防ごう!「ノロウイルス感染症」

H25年12月 糖質制限食のすすめ

H25年11月 〜骨粗鬆症の進行予防と、丈夫な骨づくりのお話〜

H25年10月 インフルエンザワクチン予防接種のすすめ

H25年9月 糖尿病管理の目標 “ Keep your A1c below 7% “

H25年7月 高齢者の肺炎は肺炎球菌ワクチンで半減できる!!

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