○三宅村火山ガスに対する安全確保に関する条例施行規則

平成25年6月26日

規則第15号

三宅村火山ガスに対する安全確保に関する条例施行規則(平成17年三宅村規則第14号)の全部を次のように改正する。

(趣旨)

第1条 この規則は、三宅村火山ガスに対する安全確保に関する条例(平成17年三宅村条例第12号。以下「条例」という。)の施行に関し、必要な事項を定めるものとする。

(健康影響基準)

第2条 条例第2条第1号及び第2号に規定する長期的健康影響基準及び短期的健康影響基準は、次に掲げるところによる。

(1) 長期的健康影響基準とは、直ちに人の健康及び生命へ影響を与えないが、長期間の暴露を受けることにより人の身体に影響を与えるおそれのある二酸化硫黄濃度の基準であって、過去1年間の年間平均値がおおむね0.04ppm以下であり、かつ、1時間値0.1ppmを超える回数が年間10パーセント以下であるものをいう。

(2) 短期的健康影響基準とは、人が瞬間的又はきわめて短時間に高濃度の二酸化硫黄を吸入することによって、人の身体に影響を与えるおそれのある二酸化硫黄濃度の基準であって、次の表に掲げる段階による。

段階

二酸化硫黄濃度の5分値

段階の説明

レベル1

0.2ppm以上0.6ppm未満

レベル1においては、二酸化硫黄に対して感受性の高い者は、二酸化硫黄を吸入すると、健康へ影響を与えるおそれがある。レベル1の状況にあっては、日頃から自覚症状がないかを確認し、発作などを未然に防ぐための注意が必要である。

レベル2

0.6ppm以上2.0ppm未満

レベル2においては、二酸化硫黄に対して感受性の高い者に重大な影響を及ぼすおそれがある。レベル2の状況にあっては、二酸化硫黄の吸入を少なくするための行動をとることが必要である。

レベル3

2.0ppm以上5.0ppm未満

レベル3においては、健康な者が、せきをしたり、目に違和感が生じたりするおそれがある。レベル3の状況にあっては、健康な者に対して注意を呼びかけることが必要である。

レベル4

5.0ppm以上

レベル4においては、健康な者に重大な影響を及ぼすおそれがある。二酸化硫黄の吸入を少なくするための行動をとることが必要である。

2 前項第2号の表並びに第11条第2項及び第3項において、二酸化硫黄濃度の5分値とは、直近の5分間の二酸化硫黄濃度を1分ごとに測定し、その値を平均したものをいう。

(定点観測点及び発令地区)

第3条 条例第2条第4号に規定する定点観測点は次に掲げる14箇所とし、当該定点観測点における二酸化硫黄濃度の測定値に基づいて条例第7条第1項に規定する注意報及び警報を発令する地区については、次のとおりとする。

定点観測点名

発令地区

逢ノ浜温泉

御子敷地区

三池消防器具置場

三池・沖ヶ平地区

三宅村役場

三宅島空港

御獄神社バス停

坪田地区

坪田診療所

アカコッコ館

立根地区

薄木生コン工場

薄木・粟辺地区

薄木バス停

阿古船客待合所

阿古地区

三宅村ふるさと体験ビレッジ

三宅村コミュニティセンター

伊ヶ谷地区

東京都三宅支庁

伊豆・神着地区

美茂井器具置場

美茂井・島下地区

(規制区域の範囲)

第4条 条例第5条第2項に規定する規制区域の範囲は、次のとおりとし、区域は別紙原図で表示したものとする。

(1) 立入禁止区域 火口及び火口の縁から海側方向におおむね100メートルまでの範囲とする。

(2) 危険区域 立入禁止区域の外側から環状林道(いわゆる鉢巻林道をいう。)までの範囲とする。

(3) 準居住地区 危険区域の海側であって、第2条第1項第1号で規定する長期的健康影響基準を達成していない地域のうち、同基準で定める要件である二酸化硫黄濃度の過去1年間の年間平均値或いは1時間値0.1ppmを超える回数のどちらかが達成している地域について、地形、植生等を総合的に判断した区域とする。

(規制区域への立入りの許可等)

第5条 条例第5条第1項第1号に規定する立入禁止区域に、火山活動の監視、観測、学術研究等のため立ち入ろうとする者は、三宅村立入禁止区域立入登録届出書(様式第1号)に必要事項を記入して、村長にあらかじめ提出しなければならない。

2 条例第5条第1項第1号に規定する立入禁止区域及び同項第2号に規定する危険区域に立ち入ろうとする者は、あらかじめ当該立入りについて、三宅村規制区域立入許可申請書(様式第2号)に必要事項を記入して、村長に提出しなければならない。この場合において、申請者が多数に及ぶときには、当該申請の代表者が、一括して提出することができる。

3 村長は、前項の申請内容を審査の上、許可する場合においては、当該申請を行った者(前項後段の場合にあっては、当該申請の代表者をいう。第5項及び第6条第2項において同じ。)に対し、三宅村規制区域立入許可通知書(様式第3号)により通知する。

4 前項の場合において、村長は、必要と認める条件を付すことができる。

5 村長は、第2項の申請内容を審査の上、許可しない場合においては、当該申請を行った者に対し、三宅村規制区域立入不許可通知書(様式第4号)により通知する。

(許可変更申請及び許可変更通知)

第6条 第5条第3項の規定により村長の許可を得た者(次項により村長の許可を得た者を含む。)が、許可の内容を変更しようとするときは、三宅村規制区域立入許可変更申請書(様式第5号)に必要事項を記入して、村長に提出しなければならない。この場合において、申請者が多数に及ぶときには、当該申請の代表者が、一括して提出することができる。

2 村長は、前項の申請内容を審査の上、当該申請を行った者に対し、変更を許可する場合においては三宅村規制区域立入許可変更通知書(様式第6号)により、変更を許可しない場合においては三宅村規制区域立入許可変更不許可通知書(様式第7号)により通知する。

(注意報及び警報の発令)

第7条 条例第7条第1項に規定する村長が注意報及び警報を発令する基準については、次に掲げるものとする。

段階

注意報及び警報の種類

レベル1

高感受性者注意報

レベル2

高感受性者警報

レベル3

注意報及び高感受性者警報

レベル4

警報

2 村長は、二酸化硫黄濃度の5分値が、注意報及び警報を発令する基準に達した時には直ちに、当該注意報及び警報を発令するものとする。

3 村長は、二酸化硫黄濃度の5分値が注意報及び警報を発令する基準未満になり、かつ、その状態が継続して1時間を経過した時点で、当該注意報及び警報を解除する。

4 前項の規定にかかわらず、村民の日常生活及び二酸化硫黄への対応行動をかんがみ、注意報及び警報については、レベル3とレベル4及びレベル1とレベル2を、それぞれ一括で解除する。

5 条例第7条第2項で定める二酸化硫黄濃度の段階に応じた行動基準は、別表第1に掲げるものとする。

(避難施設及び指定施設)

第8条 村長は、前条の注意報及び警報が発令された場合においては、活動火山対策特別措置法(昭和48年法律第61号)第5条に規定する避難施設緊急整備計画により整備された三宅村活動火山対策避難施設(以下「避難施設」という。)を活用するものとする。

2 前条の注意報及び警報の発令に関する規定にかかわらず、次に掲げる施設(以下「指定施設」という。)のうち、脱硫装置(建築物内の二酸化硫黄濃度を緩和する機能を有する装置をいう。以下同じ。)が確実に機能するものの範囲内に現に存する者(高感受性者及び要援護者を含む。)は、別表第1の規定にかかわらず、指定施設から避難施設又は別表第1に規定する地区に避難し、又は移動することを要しない。

(1) 東京都三宅村立三宅小学校

(2) 東京都三宅村立三宅中学校

(3) 東京都立三宅高等学校

(4) 東京都三宅村立みやけ保育園

(5) 東京都三宅村立国民健康保険直営中央診療所

(6) 社会福祉法人あじさいの会が設置する特別養護老人ホームあじさいの里

3 前項各号に定める指定施設の管理者は、当該指定施設の脱硫装置が確実に機能すると認める場合においては、三宅村火山ガスに関する指定施設届出書(様式第8号)に必要事項を記入して、速やかに村長に届け出なければならない。

4 前項の規定による届出を行った指定施設の管理者は、毎年4月16日までに、前年度にかかる指定施設の管理状況について、三宅村火山ガスに関する指定施設報告書(様式第9号)に必要事項を記入して、村長に提出しなければならない。

(三宅村安全確保対策専門家会議)

第9条 条例第8条に規定する三宅村安全確保対策専門家会議は、平成16年6月28日に設置された三宅村安全確保対策専門家会議をこれに充てる。

附 則

この規則は、平成25年7月1日から施行する。

別表第1(第7条関係)

二酸化硫黄濃度の段階に応じた行動基準

二酸化硫黄濃度の段階

高感受性者

要援護者

一般

屋外にいる場合

室内にいる場合

屋外にいる場合

室内にいる場合

屋外にいる場合

室内にいる場合

レベル1

1 ガスマスクを装着する。

2 室内に入る。

1 せきをしたりするなどの症状があればガスマスクを装着する。

2 体調の変化、その後の二酸化硫黄濃度の状況等に注意する。

3 脱硫装置が機能する場所に入る。

4 避難施設に避難し、又は二酸化硫黄濃度が低い地区に移動する。

1 屋外での運動はできる限り避ける。

2 室内に入る。

1 せきをしたりするなどの症状があればガスマスクを装着する。

2 避難施設に移動する等二酸化硫黄の吸入を少なくする対策を行う。



レベル2

1 ガスマスクを装着する。

2 室内に入る。

1 脱硫装置が機能する場所に入る。

2 避難施設に避難し、又は二酸化硫黄濃度が低い地区に移動する。

1 屋外での運動はできる限り避ける。

2 室内に入る。

1 せきをしたりするなどの症状があればガスマスクを装着する。

2 避難施設に移動する等二酸化硫黄の吸入を少なくする対策を行う。

屋外での激しい運動は避ける。

1 せきをしたりするなどの症状があればガスマスクを装着する。

2 体調の変化、その後の二酸化硫黄濃度の状況等に注意する。

レベル3

1 ガスマスクを装着する。

2 室内に入る。

1 脱硫装置が機能する場所に入る。

2 避難施設に避難し、又は二酸化硫黄濃度が低い地区に移動する。

1 ガスマスクを装着する。

2 室内に入る。

1 せきをしたりするなどの症状があればガスマスクを装着する。

2 避難施設に移動する等二酸化硫黄の吸入を少なくする対策を行う。

1 ガスマスクを装着する。

2 室内に入る。

1 せきをしたりするなどの症状があればガスマスクを装着する。

2 避難施設に移動する等二酸化硫黄の吸入を少なくする対策を行う。

レベル4

1 ガスマスクを装着する。

2 室内に入る。

避難施設に避難し、若しくは二酸化硫黄濃度が低い地区に移動し、又は脱硫装置が機能する場所において、避難の準備をした上で、待機する。ただし、村長が現にレベル4の警報が発令されている地区から避難すべき旨を発令した場合には、当該地区から避難施設に避難し、又は二酸化硫黄濃度が低い地区に移動する。

1 ガスマスクを装着する。

2 室内に入る。

避難施設に避難し、若しくは二酸化硫黄濃度が低い地区に移動し、又はせきをしたりするなど症状があればガスマスクを装着し、避難の準備をした上で、待機する。ただし、村長が現にレベル4の警報が発令されている地区から避難すべき旨を発令した場合には、当該地区から避難施設に避難し、又は二酸化硫黄濃度が低い地区に移動する。

1 ガスマスクを装着する。

2 室内に入る。

避難施設に避難し、若しくは二酸化硫黄濃度が低い地区に移動し、又はせきをしたりするなど症状があればガスマスクを装着し、避難の準備をした上で、待機する。ただし、村長が現にレベル4の警報が発令されている地区から避難すべき旨を発令した場合には、当該地区から避難施設に避難し、又は二酸化硫黄濃度が低い地区に移動する。

備考

1 この表において、要援護者とは、単独では迅速な行動が困難で、避難に当たって援護を必要とする者をいう。

2 この表において、屋外とは住宅等の建造物の外部をいい、室内とは住宅等の建造物の内部をいう。

3 この表において、ガスマスクとは、二酸化硫黄濃度を緩和する機能を有するマスクをいう。

4 村民等は、外出の際はガスマスクの装着に備え、ガスマスクを常時携帯しなければならない。ただし、条例第5条第1項第1号及び第2号に規定する区域外においては、火山ガス状況に新たな変化が無い限り、外出の際にガスマスクを携帯する必要はない。

三宅村火山ガスに対する安全確保に関する条例施行規則

平成25年6月26日 規則第15号

(平成25年7月1日施行)