○三宅村個人情報保護条例

平成17年1月5日

条例第9号

(目的)

第1条 この条例は、個人情報の適正な取扱いに関する基本的事項を定め、三宅村の保有する自己に関する個人情報の開示及び訂正等を求める権利を明らかにすることにより、個人の基本的人権を擁護し、公正で民主的な村政を推進することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 実施機関 村長、教育委員会、選挙管理委員会、監査委員、農業委員会、固定資産評価審査委員会及び議会をいう。

(2) 個人情報 個人に関する情報であって、特定の個人が識別され、又は識別され得るもので、実施機関の職員が職務上作成し又は取得した文書、図画、写真、フィルム及び電磁的記録その他これらに類するものであって、実施機関が管理しているものをいう。

(3) 個人情報の開示 実施機関がこの条例の規定に基づき、個人情報を閲覧に供し、又はその写しを交付することをいう。

(4) 村民 三宅村内に住所を有する者及び三宅村内に住所を有しないが、実施機関に個人情報が管理されている者をいう。

(5) 審査会 第23条に規定する三宅村情報公開・個人情報保護審査会をいう。

(6) 事業者 法人(国及び地方公共団体を除く。)その他の団体及び事業を営む個人をいう。

(7) 電子計算機処理 一連の処理手順に従い、電子計算機及びその関連機器を利用して事務を自動的に処理することをいう。

(実施機関等の責務)

第3条 実施機関は、この条例の目的を達成するため、個人情報の保護に関し必要な措置を講じなければならない。

2 実施機関の職員(特別職の職員を含む。)は、職務上知り得た個人情報をみだりに他人に知らせ、又は不当な目的に使用してはならない。その職を退いた後も同様とする。

(村民の責務)

第4条 村民は、個人情報の保護の重要性を認識し、個人情報の取扱いに当たっては、他人の権利利益を侵害することのないようにするとともに、自己に関する個人情報の適切な管理に務めるものとする。

2 この条例に基づく請求等をする者は、この条例により保障された権利を正当に行使しなければならない。

(事業者の責務)

第5条 事業者は、個人情報の保護の重要性を認識し、その事業活動の実施に当たって個人情報を取扱うときは、個人の権利利益を侵害しないための措置を講ずるよう努めるとともに、個人情報の保護に関する村の施策に協力しなければならない。

(収集等の制限)

第6条 実施機関は、個人情報の収集、保管又は利用(以下「収集等」という。)を行うときは、その業務の目的達成に必要な範囲で適正に行わなければならない。

2 実施機関は、次の各号に掲げる個人情報の収集等をしてはならない。ただし、法令又は他の条例(以下「法令等」という。)に定めがあるとき又は、審査会の意見を聴いて業務を執行するために必要であると認められるときは、この限りでない。

(1) 個人の思想、信条及び宗教に関する事項

(2) 社会的差別の原因となる事項

(3) その他個人の権利利益を侵害するおそれがある事項

(収集方法の制限)

第7条 実施機関は、個人情報を収集しようとするときは、利用目的及び内容等を明らかにして、当該個人(以下「本人」という。)から直接収集しなければならない。ただし、次の各号のいずれかに該当するときは、この限りでない。

(1) 本人の同意があるとき。

(2) 法令に定めがあるとき。

(3) 出版、報道等により公表されているとき。

(4) 個人の生命、身体、財産その他安全を守るため緊急かつやむを得ない必要があると認められるとき。

(5) 前各号に掲げるもののほか、業務を執行するために必要があると認めた場合で、実施機関が審査会の意見を聴いて別に定めるものに該当するとき。

2 実施機関は、前項第4号及び第5号の規定により、本人以外の者から個人情報を収集したときは、速やかにその事実を本人に通知しなければならない。ただし、審査会の意見を聴いて別に定めるものに該当するときは、この限りでない。

3 法令等の規定による申請、届出その他これらに類する行為によって個人情報が収集されたときは、本人から直接収集したものとみなす。

(個人情報取扱業務の届出)

第8条 実施機関は、個人情報を取扱う業務を新たに開始しようとするとき又は変更しようとするときは、あらかじめ次に掲げる事項を三宅村長(以下「村長」という。)に届け出なければならない。

(1) 業務の名称

(2) 業務の目的

(3) 個人情報の対象者の範囲

(4) 個人情報の記録内容

(5) 個人情報の収集方法

(6) その他規則で定める事項

2 実施機関は、前項に規定する業務を廃止しようとするときは、村長に届け出なければならない。

3 前2項の規定にかかわらず実施機関は、やむを得ない理由によりあらかじめ届け出ることができないときは、当該理由がなくなった後に届け出ることができる。

4 村長は、前3項の規定による届出についてその内容を審査会に報告しなければならない。

5 村長は、個人情報を取扱う業務の目録を作成し、一般の閲覧に供する者とする。

(適正管理)

第9条 実施機関は、個人情報を取扱うときは、その適正な管理をするため個人情報管理責任者を定めるとともに、個人情報を取扱う事務の目的を達成するために必要な範囲で個人情報を正確かつ最新の状態に保つよう努めなければならない。

2 実施機関は、個人情報の漏えい、滅失及びき損の防止その他個人情報の適切な管理のために必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

3 実施機関は、保有する必要がなくなった個人情報については確実に、かつ速やかに廃棄し、又は消去しなければならない。

(個人情報処理の委託に伴う措置)

第10条 実施機関は、個人情報の処理の取扱いを伴う事務の一部又は全部の処理を委託するときは、個人情報の保護のために必要な措置を講じなければならない。

2 実施機関から前項に規定する処理の委託を受けた者は、個人情報の適正な管理のために必要な措置を講じなければならない。

3 前項に規定する処理の委託を受けた者及び当該処理に従事する者は、当該処理に関して知り得た個人情報を他に漏らし、又は不当に使用してはならない。その処理業務が終了した後も同様とする。

4 前3項の規定は、地方自治法(昭和22年法律第67号)第244条の2第3項の規定により、本村の公の施設の管理を指定管理者に行わせる場合について準用する。この場合において、第1項中「個人情報の処理の取扱いを伴う事務の一部又は全部の処理を委託するときは」とあるのは「指定管理者を指定し施設の管理を行わせるときは」と、第2項中「処理の委託」とあるのは「指定管理者の指定」と、第3項中「処理の委託を受けたもの及び当該処理」とあるのは「指定管理者の指定を受けたもの及び当該指定された施設の管理業務(以下「指定管理業務」という。)」と、「当該処理に関して」とあるのは「指定管理業務に関して」と、「処理業務」とあるのは「指定管理業務」と読み替えるものとする。

(目的外利用及び外部提供の制限)

第11条 実施機関は、個人情報を収集したときの目的以外の目的に個人情報を利用し、又は提供してはならない。ただし、次の各号のいずれかに該当するときは、この限りでない。

(1) 本人の同意があるとき。

(2) 法令等に定めがあるとき。

(3) 人の生命、身体、財産その他安全を守るため緊急かつやむを得ない必要があると認められるとき。

(4) 同一実施期間内で利用する場合又は他の実施機関に提供する場合で必要な範囲の限度で使用することに相当な理由があると認められるとき。

(5) 前各号に掲げる場合のほか、公務の執行のため必要がある場合で審査会の意見を聴いて別に定めるものに該当するとき。

2 実施機関は、前項第3号から第5号の規定により目的外利用又は外部提供したときは、審査会が必要がないと認めたときを除き、速やかにその旨を本人に通知しなければならない。

(電子計算機の結合の禁止)

第12条 実施機関は、公益上の必要があり、かつ、必要な保護措置が講じられ個人の権利利益を侵害するおそれがないと認められるときでなければ、電子計算機の結合(当該実施機関が管理する電子計算機と実施期間以外の者が管理する電子計算機その他の機器とを通信回線を用いて結合し、当該実施機関が保有する個人情報を当該実施機関以外の者が随時入手し得る状態にする方法をいう。次項について同じ。)による個人情報の提供を行ってはならない。

2 実施機関は、電子計算機の結合による個人情報の提供を開始しようとするときは、あらかじめ審査会の意見を聴かなければならない。その内容を変更しようとするときも同様とする。

(開示請求)

第13条 村民は、実施機関に対し、自己の個人情報の開示を請求することができる。

(訂正又は削除の請求)

第14条 村民は、実施機関が保管している自己の個人情報の記録について誤りがあると認めるときは、実施機関に対し、その訂正を請求することができる。

2 村民は、実施機関が不当に自己の個人情報を収集したと認めるときは、実施機関に対し、その情報の削除を請求することができる。

(中止の請求)

第15条 村民は、実施機関が不当に自己の個人情報を目的外に利用していると認めるときは、その利用の中止を請求することができる。

(開示等の請求手続)

第16条 自己の個人情報の開示、訂正、削除又は中止の請求をしようとする者は、実施機関に対し、本人であることを明らかにして、次に掲げる事項を記載した請求書を実施機関に提出しなければならない。

(1) 住所及び氏名

(2) 個人情報を特定するために必要な事項

(3) 前2号に掲げるもののほか、実施機関が定める事項

(請求による一時停止)

第17条 実施機関は、自己の個人情報の訂正、削除又は中止の請求があったときは、当該請求に対する決定をするまでの間、当該個人の利用又は提供を一時停止しなければならない。ただし、一時停止によって実施機関の事務の執行に著しい支障を生ずる場合はこの限りでない。

2 実施機関は、前項のただし書きの規定により一時停止をしなかった場合には、審査会に報告しなければならない。

(請求に対する決定期間)

第18条 実施機関は、第16条の請求書の提出があったときは、当該請求があった日の翌日から起算して14日以内に、当該請求に応ずるか否かを決定しなければならない。

2 実施機関は、前項の決定をしたときは、請求書を提出した者(以下「請求者」という。)に対して、速やかに当該決定の内容を書面により通知しなければならない。ただし、開示請求に対して、直ちに開示する決定をしたときは、口頭により通知することができる。

3 実施機関は、第1項の規定により個人情報を開示しない旨の決定(第22条の規定により個人情報の一部を開示しない旨の決定を含む。)をしたときは、その理由を前項の書面に記載しなければならない。この場合において、当該理由に該当しないこととなる時期が明示できるときは、その時期を併せて記載しなければならない。

4 実施機関は、やむを得ない理由により、第1項に規定する期間内に同項の決定をすることができないときは、同項に規定する期間を60日を限度として延長することができる。この場合において、実施機関は、請求者に対して速やかにその延長の期間及び理由を書面により通知しなければならない。

(開示請求に対する措置)

第19条 実施機関は、自己の個人情報の開示請求について前条第1項の規定により個人情報を開示する旨の決定(第22条の規定により個人情報の一部を開示する旨の決定を含む。)をしたときは、請求者に対して速やかに当該個人情報の開示をしなければならない。

2 個人情報の開示は、実施機関があらかじめ指定する日時及び場所において行うものとする。ただし、郵送等の方法により個人情報の写しを交付する場合にあっては、この限りでない。

3 実施機関は、個人情報の開示をする場合において、当該個人情報が汚損し、又は破損するおそれがあるときその他相当の理由があるときは、当該個人情報の写しにより開示することができる。

(訂正請求等に対する措置)

第20条 実施機関は、自己の個人情報の訂正、削除又は中止の請求について第18条第1項の規定により、当該個人情報の訂正、削除又は中止の決定をしたときは、速やかに当該個人情報の訂正、削除又は中止をしなければならない。

2 実施機関は、自己の個人情報の訂正、削除又は中止の請求についてその請求を拒否する決定をしたときは、その理由を第18条第2項の書面に記載しなければならない。

(開示しないことができる個人情報)

第21条 実施機関は、次の各号のいずれかに該当するものが記録されている個人情報については、開示しないことができる。

(1) 法令等の規定により、開示することができない情報

(2) 個人の評価、診断、選考、指導、相談等に関する情報であって、開示しないことが正当であると認められるもの

(3) 開示することにより実施機関の公正かつ適正な事務の執行を著しく妨げるおそれがあると認められる場合で、村長が審査会の意見を聴いて定めるものに該当するとき。

(部分開示)

第22条 実施機関は、開示の請求に係る個人情報が前条各号のいずれかに該当する個人情報を記録した部分とそれ以外の部分とからなる場合において、これらを容易に、かつ、開示請求の趣旨を損なわない程度に分離できるときは、開示しないことができる個人情報の部分を除いて開示するものとする。

(三宅村情報公開・個人情報保護審査会)

第23条 この条例に基づく個人情報保護制度の適正かつ円滑な運営を推進するため、三宅村情報公開・個人情報保護審査会(以下「審査会」という。)を置く。

2 審査会は、前項に規定する審議のほか、個人情報の保護に関する重要事項について、実施機関の諮問を受けて審議し、又は実施機関に意見を述べることができる。

3 審査会は、村長が委嘱する委員5人以内をもって組織する。

4 委員の任期は3年とし、補欠委員の任期は前任者の残任期間とする。

5 審査会は、第26条第1項に規定する審議のために必要があると認めた場合は、不服申し立て人、実施機関の職員その他関係者の出席を求めて意見若しくは説明を聴き、又は必要な調査をすることができる。

6 審査会の委員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も同様とする。

7 前各項に定めるもののほか、審査会の組織及び運営に関し必要な事項は、規則で定める。

(費用負担)

第24条 この条例の規定による個人情報の開示、訂正、削除又は中止の請求についての手数料は無料とする。ただし、個人情報の写しの作成及び送付に要する費用は、請求者の負担とし、費用の額は規則で定める。

(苦情の処理)

第25条 実施機関は、当該実施機関が行う個人情報の取扱いに関して苦情の申出があったときは、適切かつ迅速にこれを処理しなければならない。

2 実施機関は、前項の苦情を処理する場合において必要と認めるときは、審査会の意見を聴くことができる。

(不服申立て)

第26条 この条例による実施機関の処分又はその不作為について不服がある者は、行政不服審査法(昭和37年法律第160号)による不服申立てをすることができる。

2 実施機関は、前項の不服申立てがあった場合は、不服申立てが明らかに不適法である場合を除き、遅滞なく審査会に諮問しなければならない。

3 実施機関は、前項の規定による諮問に対する答申を受けたときは、これを尊重し、速やかに当該不服申立てに対する決定を行うものとする。

(実施状況の公表)

第27条 村長は、毎年度実施機関によるこの条例の運用状況について公表しなければならない。

(事業者への指導、勧告等)

第28条 村長は、事業者が個人情報を不適正に取扱っている疑いがあると認めるときは、当該事業者に対し、文書又は口頭による説明又は資料の提出を求めることができる。

2 村長は、事業者が個人情報を不適正に取扱っていると認めるときは、審査会の意見を聴いた上で、当該事業者に対し、その取扱いを是正するよう勧告することができる。

3 村長は、事業者が第1項の規定による求めに正当な理由がなく応じなかったとき、又は前項の規定による勧告に従わなかったときは、審査会の意見を聴いた上で、その旨を公表することができる。

(国又は地方公共団体との協力)

第29条 村長は、個人情報の保護をする必要があると認めるときは、国又は他の地方公共団体に協力を要請し、又は協力の要請に応ずるものとする。

(適用除外)

第30条 法令等の規定により個人情報の開示、訂正、削除又は中止の手続きが定められている場合は、その定めるところによる。

2 この条例は、一般の利用に供することを目的として管理している図書等に記録されている個人情報については適用しない。

(罰則)

第31条 第23条第6項の規定に違反して秘密を漏らした者は、1年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。

(委任)

第32条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

附 則

(施行期日)

1 この条例は、平成17年6月1日から施行する。ただし、次項の規定は、公布の日から施行する。

(準備行為)

2 この条例を施行するために必要な準備行為は、この条例の施行前においても行うことができる。

(経過措置)

3 この条例の施行の際、現に実施機関が行っている個人情報取扱業務についての第8条第1項の規定の適用については、同項にかかわらず、この条例の施行の日以降遅滞なく届け出るものとする。

三宅村個人情報保護条例

平成17年1月5日 条例第9号

(平成17年6月1日施行)

体系情報
第3編 執行機関/第1章 村  長/第4節 情報の公開・保護等
沿革情報
平成17年1月5日 条例第9号